【JupyterでSQLとPandas】あいまい検索の超基本
今回は、Pandasを使ってデータフレームの「あいまい検索」。
実行環境
データを取得しSQLiteへ挿入
適当なテーブルを取得し、sqliteのデータベースファイルに挿入します。
テーブルの取得
SQL文の逆引き辞典のサイトをお借りします。
こちらよりテーブルを取得します。
import pandas as pd # url URL = 'https://www.sql-reference.com/' # テーブル取得 df = pd.read_html(URL)
ページには複数のテーブルがありますが、一番上のものだけを使います。使わせてもらいます。ありがとうございます。
# テーブルの1つ目を表示 df[0]
項目 | 関連SQL | |
---|---|---|
0 | レコードを検索する | SELECT,FROM,WHERE,AND,OR |
1 | 重複したレコードを省いて検索する | DISTINCT |
2 | NULL値を持つデータを検索する | IS NULL,IS NOT NULL |
3 | 指定した範囲のレコードを検索する | BETWEEN |
4 | 指定した複数の値に一つ以上一致するレコードを検索する | IN |
5 | ワイルドカードを使用してレコードを検索する | LIKE |
6 | 検索結果の列名を別名で表示する | AS |
7 | レコードを並び替える | ORDER BY,ASC,DESC |
「項目」「関連SQL」の列がある。インデックス列「id」を一番左の列につけたデータベースのテーブルを作りましょうかね。
作ったテーブルに、上で取得したDataFrameをインポートしようと思います。
SQL文でテーブル作成
まず、テーブル作成から。
JupyterNotebookで作業していますので、sqlのマジックコマンドを使えるようにします。データベースはsqliteを使います。
その前に、Jupyterで%sql
、%%sql
を使えるようにするにはipython-sql
をインストールしておきます。無いとエラー。
#!pip install ipython-sql #出力省略
- 拡張の読み込みとsqliteデータベースファイル接続
%load_ext sql %sql sqlite:///test_search.db
The sql extension is already loaded. To reload it, use:
%reload_ext sql
- テーブル作成
%%sql CREATE TABLE sample_tbl( id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, 項目 TEXT, 関連SQL TEXT);
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
[]
データベースにDataFrameをto_sqlで追加
テーブルが作成されたようなので、上で取得したDataFrameを入れます。
import sqlite3 # データベースsqliteファイルに接続 with sqlite3.connect("test_search.db") as conn: # DataFrameをテーブルに追加 df0 = df[0] df0.to_sql( name="sample_tbl", con=conn, if_exists='append', index=None)
エラーが出ませんでした。
DBテーブルを確認
追加されたかどうかテーブルを確認します。
%sql SELECT * FROM sqlite_master;
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
type | name | tbl_name | rootpage | sql |
---|---|---|---|---|
table | sqlite_sequence | sqlite_sequence | 3 | CREATE TABLE sqlite_sequence(name,seq) |
table | sample_tbl | sample_tbl | 2 | CREATE TABLE sample_tbl( id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, 項目 TEXT, 関連SQL TEXT) |
%%sql SELECT * FROM sample_tbl;
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
id | 項目 | 関連SQL |
---|---|---|
1 | レコードを検索する | SELECT,FROM,WHERE,AND,OR |
2 | 重複したレコードを省いて検索する | DISTINCT |
3 | NULL値を持つデータを検索する | IS NULL,IS NOT NULL |
4 | 指定した範囲のレコードを検索する | BETWEEN |
5 | 指定した複数の値に一つ以上一致するレコードを検索する | IN |
6 | ワイルドカードを使用してレコードを検索する | LIKE |
7 | 検索結果の列名を別名で表示する | AS |
8 | レコードを並び替える | ORDER BY,ASC,DESC |
あいまい検索
やっと準備が整いました。
SQL文であいまい検索
SQL文で条件抽出、検索をするときは、
SELECT 表示カラム名 FROM テーブル名 WHERE 検索対象カラム名 LIKE 条件文
という形で入力します。
条件文は、「○○を含む」とすれば、あいまい検索ができる。条件を「'%○○%'
」と書けば、対象カラムから○○を含むレコード(行)を抽出できます。やってみよう。
- 「ワイルドカード」を含む
%%sql SELECT * FROM sample_tbl WHERE 項目 LIKE '%ワイルドカード%' ;
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
id | 項目 | 関連SQL |
---|---|---|
6 | ワイルドカードを使用してレコードを検索する | LIKE |
- 「レコード」を含むレコードを検索
%%sql SELECT * FROM sample_tbl WHERE 項目 LIKE '%レコード%' ;
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
id | 項目 | 関連SQL |
---|---|---|
1 | レコードを検索する | SELECT,FROM,WHERE,AND,OR |
2 | 重複したレコードを省いて検索する | DISTINCT |
4 | 指定した範囲のレコードを検索する | BETWEEN |
5 | 指定した複数の値に一つ以上一致するレコードを検索する | IN |
6 | ワイルドカードを使用してレコードを検索する | LIKE |
8 | レコードを並び替える | ORDER BY,ASC,DESC |
- 「範囲」「検索」で検索
%%sql SELECT * FROM sample_tbl WHERE 項目 LIKE '%範囲%検索%' ;
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
id | 項目 | 関連SQL |
---|---|---|
4 | 指定した範囲のレコードを検索する | BETWEEN |
上の条件文の「範囲」「検索」を%範囲%検索%
と書いていますが、順序を変えると、
%%sql SELECT * FROM sample_tbl WHERE 項目 LIKE '%検索%範囲%' ;
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
id | 項目 | 関連SQL |
---|
出てきませんでした!
- OR(または)でつなぐ
OR(または)での検索はどちらか一方でも含むものを全部抽出するので大量に釣れる。
%%sql SELECT * FROM sample_tbl WHERE 項目 LIKE '%検索%' OR '%範囲%' ;
sqlite:///db_name
* sqlite:///test_search.db
Done.
id | 項目 | 関連SQL |
---|---|---|
1 | レコードを検索する | SELECT,FROM,WHERE,AND,OR |
2 | 重複したレコードを省いて検索する | DISTINCT |
3 | NULL値を持つデータを検索する | IS NULL,IS NOT NULL |
4 | 指定した範囲のレコードを検索する | BETWEEN |
5 | 指定した複数の値に一つ以上一致するレコードを検索する | IN |
6 | ワイルドカードを使用してレコードを検索する | LIKE |
7 | 検索結果の列名を別名で表示する | AS |
順序を入れ換えると引っ掛からなくなる対策は、どうすりゃいいんじゃろか。放置して、次はPandasで同じことをしてみましょう。
Pandasであいまい検索
DataFrameから「○○を含む」条件抽出をする方法は幾つかある。
str.contains('○○')
df[df["検索対象カラム名"].str.contains("○○")
# 元のデータフレーム
df0
項目 | 関連SQL | |
---|---|---|
0 | レコードを検索する | SELECT,FROM,WHERE,AND,OR |
1 | 重複したレコードを省いて検索する | DISTINCT |
2 | NULL値を持つデータを検索する | IS NULL,IS NOT NULL |
3 | 指定した範囲のレコードを検索する | BETWEEN |
4 | 指定した複数の値に一つ以上一致するレコードを検索する | IN |
5 | ワイルドカードを使用してレコードを検索する | LIKE |
6 | 検索結果の列名を別名で表示する | AS |
7 | レコードを並び替える | ORDER BY,ASC,DESC |
- 「並び替え」をあいまい検索
df0[df0["項目"].str.contains("並び替え")]
項目 | 関連SQL | |
---|---|---|
7 | レコードを並び替える | ORDER BY,ASC,DESC |
str.match(正規表現)
df[df['検索対象カラム名'].str.match(正規表現)]
df0[df0["関連SQL"].str.match('.*IN.*')]
項目 | 関連SQL | |
---|---|---|
1 | 重複したレコードを省いて検索する | DISTINCT |
4 | 指定した複数の値に一つ以上一致するレコードを検索する | IN |
難しいw
pd.read_sql_query(SQL文)を使う
データベースに接続し、SQL文を書いたメソッドで実行する。
- 「表示」を含む検索
import sqlite3 with sqlite3.connect("test_search.db") as conn: df_qy = pd.read_sql_query('SELECT * FROM sample_tbl WHERE 項目 LIKE "%表示%"', con=conn) # 表示 df_qy
id | 項目 | 関連SQL | |
---|---|---|---|
0 | 7 | 検索結果の列名を別名で表示する | AS |
おわりに
大したことしてないわりに長くなったのでこの辺りでやめます。
条件抽出や検索のテクニックは正規表現など使えたりしますし、たくさん場数踏んで体で覚えていくしかないですね。
以上です。